キャンプをしたいけれど、テントがないというあなたにおすすめの、新しいキャンプスタイルを紹介します。タープ1枚あれば気軽にキャンプができるタープ泊です。タープ泊の基本を学べば、軽快に大自然を楽しめます。
この記事ではキャンプ初心者からベテランキャンパーまで、タープを使ってキャンプをより安全に楽しくするコツを解説。この記事を読めば、誰でもタープ泊ができるようになり、快適なアウトドアライフを始められます。
これからソロキャンプを始める初心者さんには基本的には『テント泊』をオススメしております。悪天候でも安心できる、取説通りに設営すれば誰でも安心な宿泊環境を作れるためです。一方でタープ泊には自然を身近に感じられるなどたくさんの魅力があり、デイキャンプや天候が安定しているなら、チャレンジしてみるのは大いにありなので検討してみてください
- 日本キャンプ協会公認インストラクター
- JBS認定ブッシュクラフトアドバイザー
- ソロキャンプ歴15年
- モットーは来た時よりも美しく!
タープ泊とテント泊の違い
アウトドアでの宿泊スタイルは、タープ泊とテント泊、ハンモック泊の3つ。タープ泊はタープと呼ばれるシートを使って寝泊まりするスタイルで、テント泊は四方を囲んだテントを使用、ハンモック泊はハンモックで寝泊まりします。
タープ泊は開放性が魅力で、周囲の自然を存分に感じられます。空と地面だけで作られた空間は、景色を楽しみたい方に最適です。設営は比較的簡単で必要な道具も少なく済みます。しかし、天候の変化の影響を受けやすいので、適切な場所選びと準備が必要です。
タープを買っても設営の取説は付いていないので、自分で覚える必要があります
テント泊はプライバシーが守られ、虫や気象の影響を受けにくいという利点があります。快適な睡眠環境を求める方や安全性を重視する方に適しています。しかし、設営には時間がかかり、荷物も重くなりがちな点に注意が必要です。
アウトドアの宿泊スタイルは、自分のスタイルに合わせて、メリットとデメリットを理解した上で選びましょう。
»【アウトドア初心者必見】失敗しないテント選びのコツ!種類と選び方の完全ガイド
タープ泊のメリット
タープ泊のメリットは下記の3つ。
- 荷物が軽量化できる
- 設営が簡単にできる
- 自然との一体感を感じられる
- 上級者っぽく見える
荷物が軽量化できる
アウトドア活動において荷物の軽量化は重要です。タープはテントに比べて構造がシンプルで、軽量な素材でできているため、持ち運びに便利です。
テントではフレームなどの必要最低限の設備だけでも重さが出てしまいます。しかしタープは、タープ1枚と自分が必要なものだけ選べば良いので、重量の削減が大幅に可能です。軽量な装備を選ぶことで、アウトドアでの行動範囲を広げられます。
林間サイトではポールの代わりに現地の木を使えば、荷物を削減できますね!
設営が簡単にできる
タープは部品が少なくシンプルな構造。設営の仕方によっては、慣れれば数分で基本的な設営が完了し、休憩や活動のスペースとしてすぐに使用できます。タープは地面の凹凸に左右されにくいため、平らでない場所でも設置がしやすいです。
一度設営した後も高さや角度の調整が手軽にできる点も、シンプルな構造であるタープ泊の利点です
自然との一体感を感じられる
タープ泊は自然との一体感を強く味わえる魅力があります。自然との壁が一切ないために景色をダイレクトに感じられます。まるで自分が自然の一部であるような感覚はなかなか体験できません。視覚・聴覚・触覚を研ぎ澄ませて、自然の中に溶け込み全身で感じます。
- 視界いっぱいに広がる青い空や夜の星空を楽しめる
- 鳥のさえずりや川のせせらぎなど自然の音に癒される
- 自然の風を直接肌に感じながら眠れる
タープ泊の一番の魅力は、自然をすぐ近くに感じられるところ!
上級者っぽく見える
タープ泊はソロキャンプ上級者に人気です。ウルトラライトな装備で、現地で木などを調達し、ブッシュクラフト的に楽しむ方が多いためです。
環境に応じて設営の仕方を変えたり、ロープワークを熟知しており、様々な状況に自身で対応できる術を持たれている方も多いです。
無理して上級者ぽく見せる必要はありませんが、そういったスタイルに『憧れ』を持つのは自由。ぜひカッコよくタープ泊にチャレンジしてみてください!
タープ泊のデメリット
タープ泊は自然を身近に感じながらキャンプを楽しめる一方、デメリットもあります。デメリットは下記3つがあり、それぞれしっかりと対策を講じることが大切です。
- プライバシーが守りにくい
- 設営の仕方にもよりますが、タープだけでは周囲からの視線を遮ることが難しく、中の様子が見えてしまいます。サイトを長時間離れる際の荷物の盗難リスクも考えられます。
- 外の環境の影響を受けやすい
- 雨風の防御力はテントに劣り、天候が悪化した際にはタープ内がドロドロになることも。気温が下がる夜間の風などの寒さ対策もタープでは困難です。焚火や調理の際、火の管理に注意しましょう。
- 快適な環境づくりが難しい
- 利点でもあるのですが、地面や幕外との距離が近く、快適な睡眠が取りづらいです。虫や小動物が侵入しやすく、落ち着く環境を作るのにはある程度のスキルが必要でしょう。
タープ泊に必要な道具
タープ泊に必要な道具選びでは機能性、耐久性、コンパクトさを基準に選ぶことが大切です。タープ泊の魅力は、荷物の軽量化、設営の簡単さ、そして自然との一体感にあります。しかし、これらのメリットを享受するためにも、選ぶべき道具には注意が必要です。タープ泊に必要な道具を6つ紹介します。
- タープ
- ポール
- ロープ・ペグ・ハンマー
- ランタン
- コット・マット・シュラフ
- 調理器具
- 虫除けグッズ・蚊帳
タープ
ソロキャンプでタープ泊をするには『DDタープ』をオススメします。耐水圧は3,000mm、ループが19~21個付いており、様々な設営スタイルに対応できるためです。
ヒロシさんや阿諏訪さんが使われていることでも有名ですね
よく皆さんが疑問に思うのが、DDタープのどのサイズを選べば良いのか?ですがオススメは3.5m×3.5mです。
僕が持っているDDタープは『3m×3m』と『3.5m×3.5m』4mは使っていないので、他の利用者の方の意見も参考に考えました
4m×4mなどの大きなサイズになれば居住性は増しますが、設営場所を選ぶ、風の影響を受けやすい、金額が高くなる、などの気になる点があります。
3m×3mでシンプルな無骨サイトを作るのもかっこいいのですが、コットや蚊帳を使うこと、クローズなど色々な設営バリエーションが楽しめることを考えると、初心者さんには3.5m×3.5mをオススメします。
初心者さんが雨天時にタープ泊することはオススメしていませんので、4mなどの大きなサイズは必要なく3.5m×3.5mが一番バランスはよいです
DDタープサイズ選びの考え方
- 3m×3m
- 見た目にスタイリッシュでコンパクト。スペースの限られる林間サイトにも対応できる。オープンスタイルであったり、コットや蚊帳を使わないシンプルスタイルならオススメ
- 3.5m×3.5m
- サイトに少しゆとりが欲しい方やハンモックとの併用、クローズする張り方をする人。コット、蚊帳との併用をしたい方向け。初心者さんには一番安心できるサイズ感
- 4m×4m
- 利用するキャンプ場が整地されており、サイトが広い。雨天時に沢山の荷物を持ってタープ泊したい方
こちらの記事ではDDタープの張り方のバリエーション、疑問点など解説!
»【初心者向け】DDタープの張り方ガイド!基本的なセットアップ方法を徹底解説
ポール
ポールは、タープの布を支え適切な高さと形を維持します。軽量でありながら強度があり、アルミ製やカーボン製が使用され持ち運びがしやすいです。伸縮式のポールを選べば長さの調節が可能となり、様々な種類のタープに対応できます。
設営時にはポールの強度と安定性をしっかりと確認することが重要です。風に強い設営のためには、風向きに応じてポールの位置を調整するのがポイントです。使用後はポールをきれいに清掃し、湿気を避けた場所で保管することで、長期間安心して使用できます。
タープ泊に慣れてきたら、ポールを現地の木で代用すると荷物が削減、雰囲気も出ます!
ロープ・ペグ・ハンマー
ロープ、ペグ、ハンマーはタープをしっかりと支え、安全に快適に過ごすための基盤を作ります。これらの道具はタープ泊を快適に過ごすための基本であり、正しく選び、使いこなすことが重要です。
- ロープ
- タープを支えるために使います。風が強いときでもタープが飛ばされないように、適切な強度と長さのロープを選びます。タープの安定性を高めるためロープの結び方も学んでおきましょう。
- ペグ
- タープを地面に固定するために使います。地面の硬さや状態に応じて、適切な材質や長さのペグを用意してください。ソリッドステークなどの鍛造ペグで、長さは30cmを選んでおけばひとまずOK
- ハンマー
- ペグを地面に打ち込むのに使用します。強度が高く、ペグ抜きも兼ねている形状のものがオススメ!
ロープやペグの予備を持っておくと、キャンプ地の状況に柔軟に対応できます。こちらの記事ではタープの張り方や応用テクニックを解説!
» 【初心者必見!】タープの張り方をマスターする5ステップの完全ガイド
上記のギアは、全て僕自身が所有している、オススメのギア達です!
初心者さんの疑問Q&A
- タープを買ったらロープが付属していました。このロープは使ってはいけないのですか?
-
ひとまずそのロープを使って問題ありません。より強度が高いものが欲しくなれば『TOUGH-GRID』をオススメします
- タープにロープを結びたいですが結び方がわかりません
-
『もやい結び』で問題ありません。今後も使用する可能性が高いので、覚えておくとよいです。以下に動画を掲載しますのでご参考になさってください
- プラスチックのハンマーと細いペグが付属していました。これを使えば良いですか?
-
付属のペグとハンマーは基本的にオススメしません。よほど地面が芝生で打ち込みやすい場合のみ使えるかもしれませんが、上記に載せているものと同じでなくても、丈夫なものの購入をオススメいたします。
もやい結び
ランタン
ランタンは夜間のアウトドア活動に欠かせないアイテムです。特にタープ泊では周囲が開放的で、安全性と快適性を確保するために慎重に選びましょう。ランタン選びで考慮すべき点は下記4点です。
- 明るさ
- 燃焼時間
- 重量
- 耐久性
ランタンの種類にはガスランタン、オイルランタン、、ガソリンランタン、LEDランタンがあります。初めてランタンを購入するならLEDランタンをオススメします。
ランタンの使用時は、そのまま地面に置いたり、スタンドや吊り下げフックを利用し設置します。調節可能な明るさのモデルを選ぶと良いです。使用しないときは電源オフといった燃料節約を意識します。予備の電池を用意しておくとより安心です。
ランタンはソロキャンプにハマってくると、どんどん魅力的なアイテムが目に入り、こだわり出すアイテムの代表格。
テント内でも使用できる、安全なLEDランタンを一つ購入した次は、雰囲気のあるオイルランタンなどの購入を検討すればよいでしょう。
雰囲気を重視するソロキャンプにはすごく重要なアイテム。ランタン選びも楽しんでください
コット・マット・シュラフ
アウトドアにおいて快適な睡眠は、次の日の活動に大きく影響します。アウトドアの睡眠グッズには3タイプあり、コット、マット、シュラフから自分に合ったものを選びます。
- コット
- コットはベッドのように床から離れて寝ることが可能です。一方重さがあるため持ち運びは少し不便に感じるでしょう。コットの下に断熱材を敷くことで保温性向上も期待できます。
- マット
- マットは地面の冷気や硬さから体を保護します。マットのR値は断熱性能を表し、数値が高いほど暖かいです。インフレータブルマットは軽量で持ち運びやすく、冷気をしっかり遮断します。
- シュラフ
- シュラフは寝袋を指し、気温や天候に応じた保温性のあるタイプを選びましょう。冷え込む夜には体温が逃げにくいマミー型がおすすめです。動きやすさを重視するなら封筒型が適しています。併せてマットを敷けば、保温効果が上がります。購入時は快適温度範囲を確認しましょう。
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もしもの急な雨のことを考えると、NANGAの寝袋は防水なので安心です。
調理器具
調理器具を選ぶ際は、コンパクトにできて片付けや持ち運びが簡単で、慣れない環境でも安全に使える道具が望ましいでしょう。1つで多用途に使えたり利便性も重要です。おすすめの調理器具をリストアップします。
- ポータブルコンロまたはキャンプストーブ
- 軽量でコンパクトな鍋・フライパンセット
- 食器として使えるマルチツールやスプーン、フォーク、ナイフ
- 持ち運びやすいカッティングボード
- 食材や調味料を保存するための保存容器やジップロック
- 簡単に洗える食器用スポンジや洗剤
- 調理用のグローブまたはトング
- 点火ツール(マッチ、ライター等)
- 折りたたみ式の水タンクやポータブル水筒
虫除けグッズ・蚊帳
夏場や虫が多い場所では、虫除けグッズと蚊帳は必需品です。蚊帳は睡眠中に虫が侵入するのを防ぎ、通気性が良いため快適に過ごせます。肌に直接塗るスプレータイプやローションタイプの虫除け剤は活動中でも虫からの保護に効果的です。
テントや寝具に虫除けスプレーを事前に吹きかけることで、より虫を寄せ付けにくくできます。電子式の虫除けは電池やUSBで動作するため携帯性に優れ、場所を選ばず使えるのが魅力です。虫除けリストバンドやクリップは携帯性が高く、設置が簡単で広範囲をカバーできる蚊取り線香も人気です。
市販の虫除けグッズには、肌に優しい天然成分を使用したものも多く、安心して使用できます。
キャンパーに人気なのは『パワー森林香(赤色)』ですね
タープ泊の安全対策
タープ泊の安全対策は非常に重要です。自然の中で過ごすには、事前の準備と知識が安全に楽しむための鍵となります。タープ泊では、野生動物からの保護や悪天候への対応策、緊急時の備えなどを行うことが安全確保に重要です。下記3つの安全対策を詳しく説明します。
- 野生動物対策をする
- 悪天候時にタープの張り方を工夫する
- 緊急時のための準備を万全にする
野生動物対策をする
野生動物との遭遇を回避し、共存するための方法を理解し実践する必要があります。野生動物対策の具体例は、以下のとおりです。
- 専用の道具を購入する
- クマなどの大型野生動物が生息する地域では、熊よけの鈴やスプレーを用意する。
- 食料を放置しない
- 焚火や調理の際には匂いが動物を引き寄せないように注意します。夜間は食事を済ませて食料の匂いが残らないようにすることも必要です。食料品は密封容器に入れたり、木に吊るしたり工夫しましょう。ゴミはしっかりパックして持ち帰ります。
- 野生動物と距離をとる
- 穏やかな行動を心がけ、野生動物を刺激しないようにします。野生動物の足跡や糞を見かけた際には特に注意が必要です。見つけても絶対に餌を与えてはいけません。野生動物が近寄りにくい場所でタープを設営するのも有効な方法です。
悪天候時にタープの張り方を工夫する
初心者さんが悪天候時にタープ泊に挑戦するのは推奨しませんが、どうしてもキャンプに行ける日が雨だったり、急な悪天候に遭遇することはあると思います。
タープを低く張ることで風の抵抗を減らせます。タープにかかる風圧を低く抑え、ぐらつきを防ぐことが可能です。タープの周囲には雨水が溜まらずに流れるように小さな溝を掘ることも有効。
風に強い『ステルス張り』、雨に強い『Aフレームフルクローズ』という張り方もあります
ステルス張り
Aフレームフルクローズ
ロープの張り方にも工夫が必要です。Aフレーム張りの場合、リッジラインの上にタープをかけるとラインをつたってタープ内に水滴が垂れてきます。
DDタープなら複数のループがありますので、ループにラインを通すことによってタープの外にラインが通り、タープ内の水の侵入を防ぎます。
風が強い時はペグを深く打ち込みタープが飛ばされるのを防ぎます。タープの安定性を高めるためには、ペグの上に重い物を置くことも有効です。その他防水対策として、タープ用の防水スプレーを使うと撥水性が高まり、水が入りにくくなります。
雷が予想される場合、木の近くに設営しないなどの対策も必要です
緊急時のための準備を万全にする
事前に緊急時に備える準備を行うことで、万が一の際に迅速な対応が可能です。具体的な準備としては以下11点が挙げられます。
- 非常食や保存食を十分に用意する
- 懐中電灯やヘッドランプを用意し、常に携帯する
- 応急処置キットを常備し、基本的な使い方を知っておく
- 携帯電話をフル充電して携帯する
- 救助信号具やホイッスルを用意する
- 場所の特定ができる地図やコンパスを持つ
- 火を起こせる道具を携帯し、使用方法を習得しておく
- 緊急避難計画を立て、必要な場合に備えて詳細を把握する
- 天気予報を事前に確認し、悪天候に備えた装備を準備する
- 身元を特定できる情報を携帯し、緊急時に周囲の人に伝えやすくする
- 家族には行き先をあらかじめ伝えておく
まとめ
タープ泊は自然を身近に感じられるキャンプスタイルです。テントを使うキャンプと比べ、荷物の軽減、設営の容易さ、自然との一体感が得られるのがメリットです。しかし、防寒や防虫対策には工夫が必要というデメリットもあります。タープ泊でも必要最低限、下記の道具は忘れずに用意しましょう。
- タープ
- ポール
- ロープ・ペグ・ハンマー
- ランタン
- コット・マット・シュラフ
- 調理器具
- 虫除けグッズ・蚊帳
安全なキャンプのために、野生動物対策、悪天候時のタープの張り方、緊急時の備えを事前に学んでおくことも重要です。準備を万全に行いキャンプを計画することで、タープ泊の魅力を存分に楽しめます。
ソロキャンプに必要な道具を解説!
»【ソロキャンプ基本の道具12選】初心者に必要なものを完全ガイド|安全対策も解説!
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